署名の話
KOFGのユーザーに対するスタンスとして、SNKとか本家ユーザーに迷惑かけないならどーでも良いんだけどツッコミ待ちみたいな署名活動を見てしまったのでつっこんでおくことにする。
儲からずにサ終したゲームにする要望じゃない
まず最初に。
KOFGが大好きなユーザーの皆様はすっかりお忘れのようですが、KOFGはサ終したゲームです。
なんでサ終したかっつーと、身も蓋もなく言えば儲からなかったから。
ユーザーが集まらず、金も集まらなかった。
だから終わった。
シンプルな話です。
推測値ですが売り上げはっときますね。
上記サイトに掲載されてる2020年の売上推移(推測値)も貼っときますね。
ランク圏外ありまくりの売り上げ低迷です。
本当に、KOFGというゲームは儲かってなかったんですよ。
ユーザーが少なく、払われたお金も少なかった。
だからサ終した。
これが現実だ。
さて。
KOFGに対する復活要望の署名ページがここ。
内容を見ましたがこれがあまりにもひどい。
要望するのは勝手っていうか自由だけれども、金が集まらずに終わったゲームにする内容かと呆れかえりました。
以下、要望内容です。
・英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、韓国語、中国語 (簡体字&繁体字)に翻訳して海外向けにローカライズ
・キャラクターソングアルバム『KING OF FIRE』の各種音楽配信サービスでの配信を再開
・キャラクターソング第2弾『SING SENG SONG』をアルバム化して発売&各種音楽配信サービスでの配信
・iOS&Android版のサービス再開またはオフライン版のリリース&新規ストーリーとキャラクターの追加
・キャラクターのライセンス契約許諾範囲を『KOF2002UM』に加え『KOF2001』以前や『KOF2003』以降のシリーズ作品に拡大
・家庭用ゲーム機「Nintendo Switch™」「PlayStation®5」に向けたゲームの移植(買い切り型でアイテム課金なし&アップデートで新規ストーリーを追加する方式)
グッズ展開の再開&新作グッズ発売&既存グッズの再販
・『THE KING OF FIGHTERS for GIRLS ―イラストコレクション―』の再販
繰り返します。
KOFGは、儲からなかったからサ終したゲームです。
儲からなかったからサ終したゲームにする要望かこれは?
普通は、まずは慎ましやかにゲームの復活のみを平身低頭してお願いするんじゃないんですか。
復活してください、もう一度プレイさせてくださいどころじゃない。復活してくださったら貢ぎます、もう二度とサ終しないように貢ぎますって誓約書書く勢いと熱意と覚悟が必要なんじゃないのか。
複数言語のローカライズ、複数タイトルとのライセンス契約、複数のコンシューマー機への移植、様々なグッズ展開、CD展開の復活……欲望てんこ盛りにも程がある。
そりゃそこまでして欲しい本心を否定はしない。
否定はしないが、現実見ろよ……
儲からないからサ終したゲームに、そんな金を誰が動かすんだ。
いや、仮に署名が数万クラスで集まれば金が動くと判断されてワンチャンあるかもだけど……ねえ?
署名発起人について
この署名、発起人の方はKOFGは未プレイである。
これは署名ページにも以下の通り記載されている。
【追記】この署名を立ち上げた本人はKOFGを一度もプレイしたことがありません。気になってはいましたが諸事情でサービス終了までにプレイすることが出来ませんでした。この署名が成功したら、実際にゲームをプレイしてキャラクターの魅力を再発見し、シナリオの良さを実感する予定です。
ええ……
KOFG好きな人って未プレイで色々やるのお好きですね。
というかですね、儲からなくてサ終したゲームの、儲からなかった一因である「興味あるけどプレイしなかった人」、つまり「金を一切出さなかった人」が終わったことを嘆いて復活要望するってその……何……?
この署名が成功したら実際にゲームをプレイして云々じゃないだろう、それこそ「この署名が成功してKOFGが復活したら毎月○○万貢いで今度こそサ終しないように支えた上で、ゲームを堪能いたします」っていうところじゃないのか。
いやゲームより生活が大事だから、破産覚悟でしろとまでは言わないけれど。
でも。
未プレイです!お金入れてないゲームだけど終わっちゃったの悲しいから復活要望しまーすって、それ、ふざけんな案件ですからね?
よくソシャゲで「無課金が課金勢と同等の待遇求めるとか何言ってんだ!」って話が出ますけど、それ以上に「何言ってんだ!」って話ですからね。
運営側からしたら激怒か、良くて苦笑案件ですからね?
金を出してない、つまり客で無かった人が復活要望してくるって意味がわからないですからね?
これをプレイしてなかった人が動くほどKOFGは魅力的なんだって解釈するのはKOFGが儲からなかった、ユーザーが集まらず、金も集められなかったゲームだったからサービス終了してるの忘れてるってことですからね?
ただでゲームは作れないし運営も出来ないんですよ!!!!
応援の形
この署名ではKOFGの復活は無理かもしれない。
でもこうやって署名が集まる、KOFGが好きという気持ちが集まっていくのが形になることは運営の人にとって嬉しいことだと思うんです。
……という意見を見ました。
いや……こんな無理無茶な要望、我欲を押しつける内容に嬉々として署名をする様子見せられて嬉しいかな……
正直に申しますけど、こういう意見って変な署名やってることの正当化でしかないですよ……
こんな要望ではなく、応援と感謝の声だけをきちんと集めた署名とかの方がよっぽど良いんじゃないのかなあ……
好きなら何をしたっていいわけがないだろ
好きだから、抑えられない想いだから、藁にも縋る思いだから。
認めろ、許せ、見逃せ、いいじゃないか。
君の好きなファイターはそんな身勝手を許すんですね。
君の好きなファイターはそんな身勝手で甦ることを望むんですね。
君の好意は、君の好きなものを踏みにじってでもアピールしたいものなんですね。
身勝手を認め合う者同士で傷をなめ合うといい。
いけないことをいけないと注意されたことを慰め合うといい。
君の好きなファイターは、きっとそんな君は大嫌いだろう。
そんなことない!
好きなファイターの為に頑張っている私にファイターは感謝して応援してくれる!
そう断言できるなら好きにやったら良いんじゃないかな。
なんの話とはいわないが(追記あり
ある作品を好きになるのなんてどこから入ってもいいじゃないか
→その通り!
ある作品の派生シリーズ「から」好きになってその派生作品内の一つのカプが好きになったのでwebオンリーを開こうと思うんですがそのカプだけのオンリーじゃなくてカプの片割れキャラの本シリーズ作品もありのキャラオンリーをしようと思うんです。本シリーズの内容よく知らんけど
→派生カプオンリーじゃなく本シリーズ込みでキャラの片割れオンリーイベするなら本シリーズの内容まで把握してからの方が良いんじゃない?
だよなあ。
派生作品のカプが好きで本シリーズよく知らないなら派生作品カプオンリーイベで良いんじゃないんですかね。
個人主催で未履修作品のイベ開催とかPVで盛り上がってPVだけしかない時点で開催された某エル○ャダイのときでも良い顔されなかったし最近だと未履修どころか存在しない作品のイベもネタとわかってる上でどうなん?って言われてきてるし。
作品未履修(エアプ)で二次創作するのはえてして嫌われるものですが、個人主催のイベだって同じじゃないですかね。
個人的に未履修(エアプ)で二次するなら墓場まで持っていく勢いで隠し通せって思うんですが未履修で二次する人って何故か隠さないんですよね。今回のイベの主催も何故か隠さず「本シリーズよく知らないけど本シリーズまで含めたキャラオンリーイベやります」って言っちゃってますし。
それって本シリーズのそのキャラのファンにむちゃくちゃ失礼だと思うんですが。
作品を知り、キャラを好きになるきっかけはなんだって構わないけれど、ファン活動する際に知らないまま本シリーズに絡むのはさすがにどうかと。
その派生が昨日今日始まったものならともかく、二年ぐらい前からはじまった作品な訳ですし……なんで今に至るまで本シリーズノータッチのままでイベ開くの……
あと派生の一つのカプが好きでイベまで開こうという人がキャラオンリーに切り替えた場合、派生内の他のカプ、本シリーズでのカプとかをどう思うんだろうとか、派生カプ以外の何か地雷は?とか色々気になること出てきませんかね。
まあ、その辺問題なくきちんとしたイベントが開催されるなら良いのですが。
でも主催が作品よく知らないままイベ開催するのって個人的には好きじゃないですね。
悪意を込めて言いますが、派生カプオンリーイベだと数が集まらないから本シリーズ絡めたキャラオンリーにしたようにしか見えないですね。
追記:
この話、
某キャラオンリーイベ立ち上げた主催者が「そのキャラ初出~メインのシリーズやってないんですよね」とTwitterで呟く(そのキャラが出る前のシリーズには触ったことはあるらしい
→「やってない」件について口汚く罵る匿名メッセージが主催者に送られる(クソ行為ですね!
→主催、メッセージを公開し嘆く呟きを投稿
→その嘆きに対して「古参うぜえ」とメッセージを叩く反応が出る
→何故か「作品に興味を持つのはどこからでもいいじゃないか、なんで派生から入ったことを叩かれなければならないのか。古参は派生を叩くな」という論調になり、拡散される
→主催が、イベントで扱うキャラが出ているシリーズ作品にはノータッチであることは誰にも触れられない
という異常なことが発生してるんですよね……
主催が話題そらしをやったわけでは無く、匿名メッセージで叩きをする行為はクソではあるのですが、主催の問題点が認識されないまま、「何から興味を持ってもいいじゃないか」という論調になってしまったのは残念です
SNKエンターテインメイントのアンケートになぜKOFGを求めてはいけないのか
先日、SNKの公式アカウントの一つ、SNKエンターテインメイントがこのようなツイートをした。
えー、こんなことをみなさんに聞いたら、開発陣に怒られそうですが…
— SNKエンタテインメント公式 (@snk_enter) 2021年6月17日
ズバリ!SNKに作って欲しい新作は!?
タイトルやこれは入れてほしい!という要素など、色々聞いてみたいです!#SNK
このツイに対してSNK作品のファンから多くの熱い要望が飛んだ。
それは当然のことだ。SNK作品には多くのファンがある。倒産や買収や諸々で途切れてしまったシリーズの続編を求める人は大勢いるのだから。
しかし。
その要望の中にKOFG関連のものがいくつもあった。
KOFGの復活を!
移植を!
SSSの復活を!(SSSはKOFGのキャラソンシリーズみたいなもの)
いやもう堂々とやってきているのである。
KOFGユーザー(の一部)、なりふり構わなさすぎではないだろうか。
なりふり構わなさすぎるので良識あるKOFGユーザーからたしなめの発言があったのだが、恐ろしいことにそれに対して
「盛り上がっているところに水を差すな」
「要望は自由。選ぶのはSNKだし」
「駄目なのはわかってるけど想いが抑えられなくて」
などなど反発する声の方が要望を出した人たちから上がったのである。
観測範囲で、要望を出した人たちの中から真摯な反省意見が上がることはなかった。
むしろあくまでも良識の範囲でたしなめた人たちの発言を「KOFGアンチだ」「叩いてくる、ひどい」などと決めつけている人さえいた。
なのでここで、KOFGをSNKに対して求めることのおかしさを改めて書き出したいと思う。
KOFGはSNK作品じゃないんだよ
……いや、普通の人に話すならもうこれだけで終わりなんですがね。
KOFG、THE KING OF FIGHTERS for GIRLSはビクターエンターテインメントがSNKとライセンス契約を結んで作ったゲームであり、SNKには同作については自社キャラクターの版権以外の権利と責任は一切無いのですよ。
そのKOFGの復活だの移植だの、更にはKOFGのキャラソンの復活だの求めるのはおかしいんですよ。
KOFGがゲームだからわかりづらいですが、例えばアニメ(バトルファイターズ餓狼伝説とか人気アニメがあります)、例えば漫画(先日終わったKOF14コミカライズは評価が高く、その終了は早すぎないかと惜しむ声が多数でした)の復活やディスクの再版や連載再始動などをSNKに求めますか?
SNKさんはグッズで書籍形態のも出してるからコミカライズだって出せますよね!とか言って要求しますか?
SNKさんから働きかけてアニメ作品もう一回作りませんか!だってKOF15のPVを大張さんに依頼してるんでしょ?だったらアニメ餓狼もう一度だって出来ますよね!とか言いますか?
言わないですよね。
なんでKOFGなら言うの。
KOFGの声優は本家声優と違うのです
KOFGをSNKにどうにかしてくれと言うのがおかしい理由は、ライセンス契約してるけどあくまでも他社の作品である以外にもあります。
声優陣の問題です。
京、庵、テリー、真吾、マキシマは同じですが、この五人以外は、サブキャラに至るまで徹底して別の声優です。
その、別声優陣の作品を今まさにKOF15を制作中のSNKに引き取れと迫る意味を迫ってる人たちは考えたことがあるでしょうか。
キャライメージというのは大事です。声に至るまでそのキャラです。
KOFシリーズは14で再始動の面もあり、声優陣も大幅に変わっています。この声優陣と共に頑張るぞという心意気でスタッフの皆様はKOF14を作り、15を作っていることでしょう。
そこに、違う声優陣のゲームをSNK公式として扱えというのは何か違いませんか?
KOF14で新キャストを決めたSNK制作陣に、キャラを演じていらっしゃる声優陣に、失礼なことだと思いませんか?
原作がゲームでアニメや他社制作CDドラマなどのメディアミックスで声優が変わるのはよくありますしそれは仕方がない面もあるでしょう。KOFGもメディアミックスの一つですので声優が違うのも仕方がない(当然の)ことです。
メディアミックスではありませんが(おそらく)声優陣の事情によりSNK本家とは違う声優が中華製アプリで採用されていることもありますね。
(その中でもKOF ALL STARの新規声優陣はほぼ本家認定の声優になっているようですがクリスがKOFASとKOF15で変わっているようにKOFASの声優陣=本家声優では必ずしもないようです)
ですが、SNK公式で声優違いのゲームを引き取るのは全く事情が違います。
過去と声優が変わった、ではなく現在の声優と違うゲームを公式で扱うのはキャラのイメージを揺らがせることであり、現在の本家キャストに対してとても失礼なことです。
この点からもKOFGをSNKで引き取るよう要望するのは大きな間違いなのです。
KOFGをSNKに引き取ってもらう=現在のKOFシリーズの声優の否定に繋がりかねないのです。
現に、KOF15のキャラ発表でKOFGにも登場していたキャラが出るたびに「なんでKOFGの声じゃないの?」「KOFGの方が良かった」という人はごく少数ながらいます。
要望するのは自由!SNKが取捨選択するし!
子供か。
失礼しました。
そういうことするのはどうなの?と指摘されたときにこう言って良いのは、アンケート主催してる側だけです。
えー、だったらこんな回答ダメって言えるのもSNKだけでしょ!?
ああ、そんなこと言ってる人もいましたね。
子供か。
……失礼しました。子供だってそんなこと言いませんね。
その会社の権利にない作品への要望をするという明らかにおかしなことを要望していることを指摘出来るのがSNKだけとか何言ってらっしゃるんですか?
赤信号渡ってる人に「やめろよ」って言ったら「警察じゃないやつが注意すんな!」ってキレるんですかね。
要望はビクターエンターテインメントにいくらでもしてください。
だってKOFGが好きなんだもん!
好きならなんでもして良いってわけがないだろ。
SNKファンはSNK作品の新作を願っている
コロナ禍で完成が遅れているKOF15を待っている。
長らく新作の出ていない餓狼の、龍虎の、月華の、風雲の新作を願っている。
シリーズが途切れてしまったMIシリーズの復活を願っている。
開発が未練ややる気を何度か見せているMOWの続編に期待している。
移植されていない多くの作品の移植を願っている。
正規のSNK作品の新作を、復活を、移植を、SNKファン達は願っているのだ。
そこへ、ライセンス貸与しただけの、しかも売り上げ悪くてサービス終了した作品の新作や復活や移植の要望を混ぜてくるのって、どうなんですかね?
まあ、自分の好きな作品の復活その他の、万に一つの可能性にかけて声を上げてしまった、というのはわかるっちゃわかる。
だが「それはどうなの?」と指摘されたときに指摘の声に反発し、盛り上がりに水を差されたと怒り、水を差すような人っているよねーと相手を貶め、だって好きなんだから仕方ないじゃない開き直る。
それって、どうなんですかね?
自分達の非を認めず、反省もせず、真っ当な指摘に噛みつくのってどうなんですかね?
KOFGファン(の一部)ってそういう、周囲のことを配慮せず、目的の為にはなりふり構わない人たちですって自己紹介するのって、楽しいんですかね。
そんなことない!って、要望した人たち、言えますか?
たしなめや指摘を全て悪と見なすかのような発言をした人達、言えますか?
KOFGユーザー、現実を見ませんか?
タイトルなので主語を大きく言いましたが、もちろんKOFGの一部のユーザーの話です。
前回の「現実を見てくれ」と呼びかけたのも一部のユーザーに対してです。
さて。
サ終から二月がたったわけだが。
2021年3月末に「 THE KING OF FIGHTERS for GIRLS 」というソシャゲがサービス終了した。
それから早二月近くが過ぎ、返金申込期間が終わろうとしています。
粛々と返金手続きをした人あらば、思い出だからと敢えて返金手続きをしない人ありとユーザー様々です。
そんな中、一つの呼びかけが行われています。
「返金期間終了が近づいている今こそ、運営様に私達の想いを伝えよう!
そしてKOFGの復活(orオフライン化or家庭用ゲーム機への移植)を!
あとSSSの円盤化(サブスク配信)の実現を!」
大好きなゲームの復活とか移植とか、音楽の配信とかCD化とか、希望する気持ちはよくわかります。オタクというのはそういうものです。
だがしかし、無理だってばさ。
無理な理由については前回の記事でさんざん書いたので上げませんが無理なんですってば。
ちなみに、「ドリフェス!」という3年前にサ終したゲームのCD化が決まったことから「KOFGも!」と色めき立っている人たちがいますが、「ドリフェス!」は
・オリジナル作品である
・ソシャゲはサ終したが2021年現在もwebラジオとかグッズ展開とかが続いている「生きている」コンテンツである
わけで、ソシャゲ終了と同時にすべてのプロジェクトも同時に終わったKOFGとは全く、全然、これっぽっちも状況に同じところもありません。
調べれば秒でわかることをなんで調べないんでしょうか。
KOFGのユーザーは成人が多いようですが、スマホなりPCなりで復活したとかCDが出たとかいうゲームをどうしていつも調べずに、結果だけ見てKOFGも!KOFGも!って簡単に言うんでしょうか。
ちょっとは考えませんか?
メッセージだけで何が変わるというのか
好きなゲームが終わった、復活とかどうにかしてほしい。
その場合の行動として運営にメッセージを送るというのはまあ一つの手ではあります。
ただ、前回も書きましたが売り上げ少ないからサ終したゲームの復活がメッセージ送るだけで出来るはずがあるだろうか。いや、ない。
個人的には売り上げが少なかったのは運営がゲームの内容、広報その他諸々すべてにおいて下手を打ったからであって、ユーザーに責任を問うのは好きではありません。
ユーザーに金を出す気にさせられなかった運営が全面的に悪い。
ただそれでも敢えて言います。
金出さなかったユーザーが、メッセージをいくら送ったって運営に響くはずがない。
KOFGが大好きなんです、キャラが、シナリオが良かったんです。
そんな言葉を連ねれば連ねるほど「じゃあなんでお金を出さなかったの?」「どうしてサ終宣言より前にもっとユーザーがアピールしなかったの?」という気持ちに運営はなりませんかね?
例えば他のソシャゲでは
今はメジャーソシャゲの一つになっている作品に「メ○ド○2」ってのがあります。
これは良作だけど最初ユーザー数が少なかったため、ユーザーが必死にアピールしてユーザー数を増やすことに貢献していました。
また別のソシャゲ「ラス○オ○ジン」では、運営が提示したDL数だったかの達成がなかなか成されないためDL数で実装が決まるキャラが実装されない状況にしびれを切らしたプロのライターの虚○玄氏(ラ○オリではライター参加していない)が二次創作をTwitterに投稿することでアピールしました。(このキャラはその甲斐あって目標達成されて実装されました)
また「金○の○ルダ」のソシャゲも事前登録数で過去作の人気キャラが実装されるかどうかが決まるためユーザー達が必死にアピールして達成していました(これは人質商法と運営が叩かれたりもしてますが……
ユーザー達は自分の好きな作品のため、出来ることを全力で頑張っているのです。
全てが実を結ぶことはないかもしれませんが、上記の話は幸いにも成功しました。
さて、KOFGユーザーはどうだったでしょうか?
KOFGユーザーは動かないし動けない
前回記事に書いた通り、KOFGは2020年2月以降は売り上げが右肩下がりでした(サービス提供期間の8割以上、売り上げが悪かったわけです)。
一周年記念辺りではもう完全に危機的状況です(一周年で社やクリス実装でちょっと持ち直しましたが改善にはほど遠く)。
運営も危機感を覚えていたのでしょう、ハッシュタグを用意してユーザーにアピールをしてもらうように促しました。
そう。
運営からユーザーに動いてとお願いしているのです。
公式がユーザーに動いてとお願いすんなよ、自分らでもっと上手く広報やれよという当然のツッコミもありますが。
KOFGユーザー、自分達からは動かないんですよ……
ガチャの内容や頻度、イベント報酬の状況から売り上げがヤバくなっていってることを察したユーザーは私の体感ですが結構いたようです。
しかし、KOFGユーザーは動かない。
ユーザーサイドから自主的に特に何もすること無く2021年3月を迎えサ終が発表され、KOFGは終焉を迎えました。
KOFGユーザーが騒ぎはじめたのはそれからです。
やめてやめないでSSSはせめて続けてと声を上げます。
声を上げるだけ。
お気持ちメッセージをせっせと送るだけ。
いやそれで何が変わるんでしょう。
オタク界隈でよく回ってくる話に
反応が何もないので筆を折った(ジャンル替えをした)ら、その後に「やめられて残念です、大好きでした」とメッセージが来た。
なんでやめる前に言わなかったの?
声は上げなきゃ届かないのに。
みたいなのがありますね。
ソシャゲに対しても同じではないでしょうか。
この場合、声≒課金でもありますが。
サ終発表前に応援の声、ユーザーの外へのアピール、十分な課金をしていなかった人たちが終わってからメッセージだけ送ったところでもう遅いんです。
好きなんですをいくら送ったところでお金がなくて終わったものを動かす力にはなりません。
このユーザー(達)はお金を出さない。
そのデータがしっかり蓄積されているのです。
復活したところで売れるという保証は皆無であることを、誰よりも運営は、数値データという根拠の元に知っているのです。
この数値データを覆せるデータはユーザーからは出せません。無理です。
KOFGユーザーは動かないといいましたが、動きようがないというのも事実です。
署名サイトなどで署名を集めるという手段をちらほら聞きますが、その署名がお金に繋がるという保証はないんです。
仮に(まず無理でしょうが)署名が1万集まったとして、その1万人がどれくらいの課金をしてくれるでしょうか。
お友だち署名もあるでしょうから、そもそも1万人分のユーザーになるかどうかの保証すらないのです。
ユーザーに出来ることは何も、何もないのです。
二つだけ出来ること
それでも出来ることが二つだけあります。
1、速やかにKOFG運営にメッセージを送るのをやめる。
まずはこれです。
復活嘆願は無意味です。
移植だろうとオフライン化だろうと無意味です。
サ終処理をし、返金手続きをする人たちの邪魔になるのでメッセージを送るのはやめましょう。
サービス期間中にろくに力になれなかった人たちの大好きですアピールは鬱陶しいだけです。
2、ファン活動を続ける
運営にはメッセージを送らずとも、ファンとして二次創作なり作品の思い出語りなどを全力ですればいいのです。
何年でもやり続ければいいのです。
KOFGという自分達の大好きな作品があったことを語り続ければいい。
SNK作品の乙女ゲーが好きな人たちがいることが忘れ去られなければいつか、また別のSNK作品の乙女ゲーが出るかもしれません。
KOFGは現実的な話、無理だと思いますが。
これだけは絶対にするなよKOFGユーザー
さてさて。
もうじきKOFGの返金受付期間が終わります。
受付が終わると、もしかしたらKOFG運営がユーザーに窓口を閉ざすかもしれません。
その場合……ユーザーの方々は次の復活嘆願先としてSNKに直談判だけは絶対に選ばないでください。
SNKにKOFGの復活嘆願をする的外れで迷惑な行為だけは絶対に、絶対にしないでください。
SNKはライセンス契約をしただけでKOFGとはそれ以上の関係はありません。
SNKは自作をKOFG準拠にする気は全くありませんしKOFGナイズされたキャラには興味もありません。
KOFG15の声優陣やキャラデザインを見れば明らかですね。KOFGからの逆輸入は一切ありません。一部のキャラがKOFGっぽいとKOFGユーザーが騒いでいましたが14からのデザイン踏襲なだけでKOFGの影響は皆無です。
女性キャラと男性キャラの絡み、関係もなんの変更もありません。
オロチチームの復活もKOF14で既に明示されており、こちらもKOFGの影響では全くありません。ネスツの残党に無理矢理生き返らされたオロチ四天王なんていません。
SNKはKOFGにはノータッチであり、なんの責任も自社の版権部分以外の権利もありません。
なのでSNKにKOFGの復活嘆願をするのは筋違いであり、むしろ迷惑行為であり、KOF本家シリーズに対する侮辱行為です。
KOF本家声優以外の声優でSNK直々にKOF関連作を作れとか、普通は言えません。
なので、絶対に、絶対にSNKにKOFG復活嘆願というみっともない行為はしないでください。
KOFGユーザーよ、現実を見てくれ
2021年3月末に「 THE KING OF FIGHTERS for GIRLS 」というソシャゲがサービス終了した。
それ自体は別段珍しいことではない。収益の上がらなかったゲームは切られる。それが世のならいだ。
ソシャゲのファン達は残念がった。そりゃあ悲しんだ。それも当然だ。収益が上がらなかった、つまりユーザーの少ないゲームであってもファンというのはいるものだ。ファンならば好きなゲームが終わってしまったら悲しい。そういうものだ。当然だ。
しかし、である。
ファン達は未だにサービス再開を望んで声を上げ続けているのだ。
それ自体もまあ当然といえば当然だ。好きなゲームが出来れば復活してほしい、これはソシャゲに限らず据え置きゲームでもよくある話だ。シリーズが途絶えて○十年復活を待っているファンは数多いる。
だがそれにしても、と思うことがある。
ファン達の復活の声はあまりにも現実を見なさすぎなのだ。
あまりにもそれが見ていられず、ツッコミどころが多すぎて言わずにはおれなかったのでここにそっと放流する。
1、そもそもなんでサ終したと思ってるんだ
ソシャゲがサービス終了する。それは収益が上がらなかったからである。平たくいえば真っ赤っかの赤字だったからだ。
たまに大会社のソシャゲは収益がまだ黒字でセールスランキングもそこまで低くなくてもここから上がることがないと判断されると終了したりするのだがそれはさておき。
収益が上がらなかったのはなぜか。これはあまりにも明白である。
ユーザーの課金が少なかったからだ。
ユーザーの総数が少なかったということもあるだろう。
明確なユーザー数は不明だが公式Twitterへの反応数で雑に推測してみる。
KOFGの公式アカウントがサ終時に上げた最後のお礼イラストのRTは3000にもいかず、いいねは5000を僅かに上回る程度だった。
サ終当日のお報せのRT・いいね双方1600人台。
3月にお誕生日祝いのイラストが上がったキャラは4人いるが、マキシマのRT・いいねが700・1400、テリーが900・2000、庵が1300・2400、ジョーが500・1100(全て四捨五入した概数)。
Twitterを使用していないKOFGユーザーがいること、イラストはKOFGユーザーでなくてもRT・いいねすることを加味して、終盤のアクティブKOFGユーザーは2000人台、最大限に甘く、多く見ても3000人台ぐらいしかいなかったと考えるのが妥当ではないだろうか。
こちらのデータを見ると概ね月2000万円台の売り上げだったようなのでアクティブユーザーが2000人台というのはあながち外れでもないように思う。
これは、あまりにも少ない。
この中で課金、それも重課金者となるとどれぐらいいたかというのもお察しだ。
ちなみにiOSでのセールスランキングで最高順位は2020/2/13の80位というデータがある。
サ終一年前(正式サービス開始の2019/11/8の数ヶ月後)の順位をその後は一度も抜けなかったのだ。
そりゃ終わるわ。むしろ80位より上に上がることが一度も無かったのによく一年引っ張ったなと感心する。
さて。
ここでタイトルに戻る。
そもそもサ終したのはユーザーが少なく課金額も少なかったからだ。
諦めてないファンの方々は「好きですっていう思いを声にしてあげ続ければ復活するかもしれない!」という。
無理だって。
せっせと運営にメールを送っている人もおり、丁寧な返事を頂いたと喜んでいるようだが、運営の中の人の気持ちはこれだろう。
「金出さなかった人たちが何を言ってるんだ」
「サ終してから想いを伝えてこられてもな」
2、復活・移植したゲームをよく見ましょう
サ終からの復活を諦められない人は言う。
「据え置き機に移植を!」「オフライン化を!」
「復活したゲームもあるじゃないですか!」
確かにある。サ終したゲームがSwitchに移植されたりサ終からの復活を遂げたソシャゲはある。
あるじゃない!じゃあKOFGもワンチャン!
そう思うかもしれない。だが落ち着いてタイトルやゲーム内容を確認すればそんな淡い期待は抱く気にすらならないだろう。
以下に移植やオフライン化したゲームの特徴を挙げる。
1、オリジナルタイトル
移植・オフライン化したゲームのほとんどがオリジナルタイトルだ。原作つきではない。
オフライン化したものの中にスパロボがあるが「期間限定参戦作品が出演したものは除く」と注意書きがあるなど版権の扱いが容易ではないことはすぐにわかる。
目立つ版権としては他に「魔法科高校の劣等生」があるがこれはスクエニのソシャゲであり、スクエニはGファンタジーで「魔法科高校の劣等生」の漫画を連載しているのでシンプルに版権を借りているかどうかはちょっとわからない。
移植にせよオフライン化するにせよ、原作つきならばその版権料の支払いが発生するのは当然のことである。
サ終というのは大半の事例において赤字だからサ終するものなのだから、金をかけて移植なりオフライン化する余裕は少ない。
そこで決して安くはない版権料を払ってまで移植・オフライン化出来る会社はごく僅かなのだ。
スパロボの運営はセガ、魔法科高校の劣等生はスクエニとどちらも大会社である。
復活したゲームといえば乙女ゲーというか女性向けゲームでは「千銃士」が引き合いによく出されているが、あれもオリジナルである。
オリジナルゲームと版権借りた原作つきゲームを同列には出来ないということをKOFGユーザーにはよく考えていただきたい。
2、買い切り作品
これは移植作品をよく見ればわかるのだが、どの作品もアプリの段階で「買い切り」作品である。
追加要素やゲームを彩るパーツなど追加課金がある場合もあるが、必須の課金は最初の支払いのみだ。
これが何を意味するかといえば、元々のゲームの制作では「一定の数だけ売れれば確実に黒字になる」が念頭に置かれているということだ(当然、一定の数だけ売れなければ赤字だ)。
黒字ラインを超えて十分に売り上げがあり、諸処諸々の理由で配信を停止にするがユーザーからの人気の手応えもある……ならば、家庭用ゲーム機に移植しようか、と運営が考えられるのも買い切り作品だからなのだ。
常に課金をしてもらい続けるために休み無くシナリオなりガチャなりを追加し続けなければならないKOFGのようなゲームとはそもそもの制作・運営形態が全く違うのである。
そこを考えずに「アプリの乙女ゲーで移植の前例があるからKOFGも!」というのは的外れも良いところだ。
SNKの格ゲーを乙女ゲー化したDoM(シリーズの9割ギャルゲーなんだが)も、買い切りソフトだったのだ。
DoMをやったんだからKOFGも!とはいかないのである。
ハウス栽培だから年中食べられる野菜と、露地栽培で特定の季節にしか食べられない野菜を同一視して「同じ野菜だから露地栽培のこっちだって年中食べられるように出来るはず!」とか言い出すようなものである(例がわかりにくい)
3、SNKは版権貸しただけなんだよ
驚くべきことだが、これが未だに理解できない人がいるらしい。
SNKさんにも声を送れば!とか大真面目に言っている人がいる。
SNKからしたら知らんがなでしかない。契約を交わして版権を貸しているだけで、その契約の範疇でやっている限りKOFGの制作や運営の状況や環境は知ったこっちゃないのである。
賃貸住宅を想像してみればいい。契約に違反せず賃料を払い続けているのならば大家さんは住人の生活状況なんかどうでもいいのである。
貧乏で毎日もやし飯を食ってようが身の丈に合わない贅沢をして貯金を使い果たそうが知ったこっちゃないのだ。
契約に違反する、もしくは賃料払わなかったら追い出す。それだけである。
身も蓋もない話をするが、SNKは現在開発中のKOF15と追加要素やってるサムスピ以外に手を割く余力はあんまり無いと思われる。
以前自社で運営していたソシャゲも少人数でやっていたのがよくわかる態勢で……うん……
だから、KOFGを引き取ってくださいとか再開してくださいとかをSNKに投げるのは勘弁してくれ。頼む。どう考えてもそれは迷惑だ。
4、復活もオフライン化も移植も無理なんだよわかれ
いやわかりたくないというのはファン心理としてはわかる。だが無理なんだよ。「声を上げれば、声を届ければ!」と必死になるのもわかる。
だが気づけよ、なんでサ終になったのかを。
サ終になったのは金が集まらなかったからだ。
KOFGに金もユーザーも集める力が無かったからだ。
そこにコロナ禍とかの不幸な巡り合わせがあったからとかは否定しないが、サ終したのは赤字だったからでしかないんだ。
海外にもKOFGファンはいる、グローバル化していればって話もあったが、翻訳希望の署名はたったの350人しか集まらなかったじゃないか。
SNK作品の中華系アプリだってほんの数作以外は短期間でサ終してるんだよ。
SNK作品にはグローバルな人気があって大勢のファンがいる、それは間違いない。だがそれはソシャゲの人気には直結しないんだ。
SNKの作品が好きなのと、そのキャラが出ているソシャゲに興味を持つかは全く別の話だ。
そこは絶対に勘違いしないでほしいと思うばかりである。
5、終わりに
なんかそれっぽく閉めた方が良いんだろうから終わりにとかつけたけど、まあツッコミたいことをだらだらつづっただけなので。
まあついでに。
余談であり愚痴だ。
乙女ゲーというオブラートをかけた世界を提示しなくても、かつてKOFは女性に大人気だった。
コミケカタログで京や庵を描いたサークルカットが何ページも並んだことがあった。
ゲーセンにただキャラを見るために通った人たちだっていた。
登場作品は格ゲーとかそんなことは関係なかったんだ。
これは何年も、というか二十年以上前の話なので知らない人がいることは仕方がない。
格ゲーが男性の多いジャンルであることも否定しない。
でも、格ゲーが好きな女性は今だってたくさんいる。
好きだと思えば格ゲーだろうがリアル格闘だろうが飛び込む女性は大勢いる。
それは今も昔も変わらない。
そんな女性ファン達を、格ゲーを、リアル格闘技を、そこに関わる大勢の人たちを馬鹿にする、踏みにじる発言をする人がKOFGファンには残念ながらいる。
格ゲーやリアル格闘技を貶め、それに比べてKOFGは素晴らしいんだという人がいる。
そんな人の発言を支持する人もいる。そうだ、KOFGはとても素晴らしいんだよと叫んでいる。
格ゲーやリアル格闘技を、それを愛する人たちを踏みにじっていることをまるで意識せずに。
あの人達が好きだというKOFGのキャラの本来の世界を、彼らが生まれ育った世界を女性には近づきがたい暴力的な世界だと踏みにじりながら、KOFGを素晴らしいと叫んでいる。
ついでにサ終は版権元のせいだと妄言を振りまく人さえいる。
そんな人たちによるKOFGは素晴らしいという声がKOFGを復活させることなんてない。
原作を踏みにじる、原作の会社を侮辱する人たちの声を誰が受け止めるというのだ。
KOFGユーザーよ、現実をちゃんと見てくれ。
あなた達が愛したKOFGのキャラ達はどんなゲームの出身なのか、どんな人たちがあなた達がKOFGと出会うずっとずっと前からそのキャラ達を愛し、支えてきたのか。
SNKは倒産を経験した会社だ。
親会社の方針とかでまあ色々なことで作っている作品が迷走した会社だ。
今だって迷走してるんじゃないかとたまに思わなくもない。
でもその会社の作る作品を、キャラを、愛し支え続けた人たちの中には女性ファンは少なからずいるんだ。
格ゲーだろうとなんだろうと関係なく、ただ好きになったキャラを作品を愛して手を出した人たちは大勢いるんだ。
乙女ゲーになったから手を出せたって言う人たちがいるのはいい。全然構わない。
乙女ゲーだからこその良さだってあるだろう。
だがその良さを主張するために格ゲーを、リアル格闘を、それに関わる大勢の人々、ファンを貶める必要があるのか。
あれは貶めではないと言えるのならばあまりにも考えが足りないと言わざるを得ない。
以上、愚痴終わり。
紺青の拳の不満点
監督インタビューとか出てきてうーんという気分がもやもやしているので放流。
今年のコナン映画について。面白いか面白くないかで言えば面白かったのよ。
マイナスの話しかしないよ。ネタバレしかないよ。ただの脳内放流だよ。
プラスの話は「派手なアクションすごーい、かっこいいー、キッドのアクションかっこいいー」で終わるしそれで1000点取れるのがコナン。
真犯人ノープラン過ぎねーかとか表悪役要素色々盛りすぎでこいつ何がしたい人なのかわからんとか色々突っ込みたいことはあるのだけれど、一番突っ込みたいのは今回の目玉だったと思われる「京極真」(と怪盗キッドのVSもしくは鈴木園子とのカップル話)の扱いが個人的には余りにもひどくて大きなマイナスポイントでした。
簡単にまとめると
1、「怪盗キッドVS京極真」? 嘘だっ!!!
2、悪役にとってめっちゃチョロい京極真
3、すれ違いこじれるところそこじゃない京園
4、京極覚醒が……盛り上がらないんです……
以下、詳しく
1、「怪盗キッドVS京極真」? 嘘だっ!!!
とりあえず対戦しとけばいいヨネで一戦やっただけで余りにも肩すかしで二人がもうちょっと感情的にもバトルとか的にもなんやかんやあるのをムチャクチャ期待していったんですよ私。それこそ共闘だってあって良かった。
いやその一戦自体はかっこよかったんですけど、この映画、「怪盗キッドVS京極真」売りにしたんですよね?
「怪盗キッド&コナン共闘。京極真も出るよ!」映画だったぞ今回。
まともな対峙は序盤の一戦だけ、以降、笑うほど絡まない。いや一方的にキッドは京極さん見てるんですけど。
京極さん覚醒の時にキッドが手を貸すんですが「ライバルの危機に手を貸す」シーンなのに全く盛り上がる作りじゃないのすげえ。
あれは「窮地を切り開くキッド&コナンコンビ」として盛り上がるだけで「キッドと京極のライバル関係」においては盛り上げる気はむしろ皆無というすごいシーンでした。
2、悪役にとってめっちゃチョロい京極真
いやほんとわからないし納得できない。
レオン・ローって催眠術師なの?
犯罪行動心理学者だから心理的に追い詰めた……えええ、あんなお粗末なので?
Step1. 最初の布石の言葉
京極さんは、今回の大会で最大の敵になる相手がレオンのガードであることを知っています。
京極さんは、レオンはガードに優勝してもらって景品の宝石を入手するのが目的なのも知っています。
さて問題です。
そんな奴が近づいてきて
「君はなんのために戦うのかね」
「敵を持たない不完全な拳は危険だ。周りの人々も不幸にしてしまう」とか囁いてきた場合、何を考えるでしょう?
普通、「心理的に揺さぶりに来たな」と警戒しませんか? それぐらいの心理戦、400戦無敗で世界を股にかけて戦う男はくぐり抜けてきてないのか。
京極さんは警戒しません。素直にレオンの言葉を聞いて、一切反論もせず、小さな棘を心に刺されました。
お前、そこは、「自分の拳は園子さんを守るためにある。園子さんを傷つけたりはしない!」って元気よく言うところじゃないのかーーーーー!!!!!!!
ここで元気よく京極さんが反論しておいた方が、第二段階でのダメージが大きくなったりもするのですが、そういう物語的な盛り上がりの種をまくことすらなく、京極さんは一切反論しませんでした。対戦相手サイドの人間に好き勝手いわれてムッとした顔すらしてないんだぜ京極真は。
レオンは催眠術師ですか。なんかエコーかけまくった気持ち悪い演出あったし(おっさんがねっとり囁きかけるシーンは気持ち悪いわ)。催眠術師ならそうといえ。
Step2. 園子負傷事件
園子が負傷しました。レオンの策略です。
守れなかったことで落ち込む京極さんに、レオンがトドメの言葉を告げに来ます。
まあそこまではいい。わかる。状況と言葉で心理的にダメージを与え、棄権に追い込む。作戦としてグッド。
ここからがおかしい。
「このミサンガが切れない間は君は戦う覚悟がないと言うことだ」的なことを言ってレオンは京極さんにミサンガをつけます。
レオンは(とりあえず京極さんにとっては)空手大会における対戦相手サイド、敵サイドの人間です。
園子を守れなかったことでグサグサ刺さる言葉言われて精神的ダメージを受けるのはわかる。これはレオンだろうが誰だろうが言っても概ね同じぐらいのダメージが出る。
しかし敵サイドの人間に戦うなという禁忌の呪いめいたことをされて素直に受け入れるのはなんでぞ(本当に言われるがままされるがままで抵抗一切しない)。
それだけ京極さんの精神的ダメージが大きかった。なるほどその可能性はある。
しかしStep1からの無抵抗っぷりもあり、ますます「え、京極さん何やってんの」感が強くなる一方……
チョローめちゃめちゃチョロー
いやこれ普通に暴漢に園子襲われて守れなかったので落ち込む京極さんでいいのにレオンが絡むことでチョロい京極さんができあがる悲惨。
あとそれ黙って見てるコナン達何なの。
3、すれ違いこじれるところそこじゃない京園
園子が負傷したのは「一人で(しかもなんか不調っぽい)真さんが戦っているのが心配で、応援・助けを呼んでこようと単独行動に出た」ところを襲われたからです。
つまり「真さんの力になりたい、心配」という恋する乙女心ですね。
が、これについて全く作中で触れられない。
ここでですね、園子が「私が助けを呼んでこようと勝手に一人になったから怪我をした、真さんは悪くない」ってフォローしようとしたところを京極さんが「あなたが一人になったのは俺の未熟さのせいです。あなたが不安にならないほど自分が強ければ良かった。でもそうじゃなかった。自分がすべて悪い」「真さんだって人間だから不調な時ぐらいだってあるでしょう、自分を責めないで!」「いや自分は園子さんを必ず守れないとダメなんです」「私は心配すらしちゃダメってこと!?」ってな具合に喧嘩して二人の仲が拗れるとかがあれば良かったのに、ない。
園子が突っ込むのは得体の知れないミサンガと京極さんの絆創膏のことだけなんですよ。そこじゃねえだろ今は。でもそれが、京極さんのミス(園子を守り切れなかったこと)そのものを責めない園子の優しさかなあとも思わなくはないけどここで触れとかないと京極さんのラストの決意と行動の裏付けが弱くなる。
まあミサンガについては変なおっさんにつけられたのを素直につけっぱなしでいるの明らかに変なんですけど。
少なくとも外そうとするも負傷した園子の姿が浮かんで外せなかった(おっさんからの呪縛→自分での呪縛、の変化)、ぐらいのカット入れなよ……
4、京極覚醒が……盛り上がらないんです……
なんやかんやでバトル突入、京極さんは園子をかばいながら逃げ回ります。ミサンガの呪いで攻撃できません。専守防衛です。園子に何言われてもどんなピンチになってもミサンガ外せませんし攻撃しません。
この辺でたいがいにしろや京極真、状況舐めてんのかお前それで園子になんかあったらどうするんやと見ている私はだいぶいらついてきています。
ミサンガを自分から外す気なんてナッシングです。どんな呪いのアイテムだそのミサンガ。
しかしついに救世主が!
遠距離からキッドがミサンガ切ってくれたよ!
……は?
ミサンガ切れたんで京極さんを抑えるものはなくなり、オーラ放って反撃開始だ!
……は?
待ってください。
ミサンガって、京極さんの能力を封印する魔法のアイテムだったんですか。阿笠博士レベルの不思議科学アイテムだったんですか。
どう見てもこのシーン、ミサンガは心理的な枷の象徴じゃなく物理的な京極さんの戦闘力封じ込めアイテムっていう扱いじゃないですか。
それともミサンガが切れたらそれだけで京極さんの葛藤とか迷いとかなくなって全開で戦えるんですか。
京極真の迷いとか苦悩ってそんなチョロいもんなんですか。
いやまあ変なおっさんの言葉でひょいひょい迷って素直に呪い受けるぐらい京極さんチョロいんですけどそんなヒーローいらんし「京極真、覚醒」という本来燃えるシーンが全く、なんの、盛り上がりも、ない。
いや京極真のライバルである怪盗キッドがミサンガを切ってくれた、というのはめちゃめちゃ燃えるポイント。
京極さん気づいてないけど。
遠距離から切っただけだけど。
観客には燃えるポイントのはず(燃えるか?)。
でも劇中、特に京極さん視点では「なんかミサンガ突然切れた」だけなんすよあのシーン。
もしかしたらもしかしたら、人間離れした動体視力を持つ京極さんにはミサンガを切ったのがトランプ、つまりキッドだということに気づいたかもしれない……がそんな描写も台詞も皆無なので気づいてないよあれ。
「だらしないですね」とかキッドが京極さん煽りつつも「悪意ある囁きに閉じ込められたあなたの心の宝石を、この怪盗が解放して見せましょう」とか台詞決めながら切るんじゃないのか。
あるいは「あなたが大切なものを守りたい思いは、そんな紐で封じられる程度のものなんですか」とか煽られた京極さんがワイヤーだろうがなんだろうが自ら引きちぎるところじゃないのか。
そういう盛り上げとかするところじゃないのか。
敵の罠とか(理由はどうあれ)自分の失敗からの落ち込みから雄々しくヒーローが立ち上がるという古典的かつ王道的展開になるはずのものがここまで適当に扱われていいのか。いや良くない。
「心理的枷を自ら外す」のが王道なので、前者の場合でも「お前の力は借りない」と奮起した京極さんが切るべきところですね。
いっけーじゃないぞコナン。そんなセリフで切るところ盛り上げようとしても、京極さんの心置いてけぼりな状況は変わんねえぞ。
で、なんかよくわからないけどミサンガ切れたから自分はもう暴れていいんだーと封印を解かれた京極さんは暴れるわけです。DBかよ! って突っ込まれる戦闘シーンですが、覚醒シーンが余りにもひどかったので私はまったくのれず。京極さんの株が下がっていく一方。
まあそんな中園子さんをがっつりおんぶして紐で縛って「あなたを自分のそばから離さない」って戦うわけです。
「たとえ自分の身を案じてだろうと園子さんが離れることを許さない、傍で守り抜いてみせる」という決意ですが、最初の失敗の時にそこを園子と話していないため、園子にどれぐらい伝わったかが不明なのが難。
ここも観客には「ああ、園子負傷時のことを踏まえてんな」なんですが、園子とはそこを話してないので園子には京極さんの決意の底までが伝わらない。
今回、京極さんと園子のカプの話ですよね?
カプがスレ違いわかり合わんでどうすんの。園子が言及すべきなのは絆創膏とかじゃないんだよ!
すれ違いこじれから二人が互いにわかり合い、男の不器用でムチャクチャな決意を女が受け入れるという少年漫画的古典的横道な盛り上がりポイントがスルー。
なんか一方的な京極さんの決意だけが示されてぽかーん。
「園子さんは自分のことを心配しなくていい。自分はそれだけの強さを示します。あなたのことも自分のことも守ってみせる。信じてください。もう二度とあなたを不安にさせたりしない」
「はい」(おんぶ状態で京極に抱きつく)
とこまでやって、それで、きゃーーーーーって観客が萌えて萌えるとこでしょう!?
京極真は鈴木園子を絶対に不安にさせないし守り抜く、それだけの揺るがない強さを持っているしそれを示してみせる。だから一番安全な自分のそばから離さない。
それを、鈴木園子にわからせるのが山場でしょう?
なんでやらないの。京極真が口下手だとか不器用だとか関係ないだろ。伝えようとする努力すらこの映画の京極真はしてないよ。
とまあ、ツボをことごとく外されて……というかこの作品、ツボどころか主軸もないですよね。
キッドVS京極を詰め切れない。かといって京園ラブロマンスにも力を入れきれない。
キッドとコナンの共闘はめちゃめちゃ楽しかったよ。キッド&コナンの方をアピールしといた方が良かったんじゃないかな。そうすれば「偽新一がキッドだと早々に気づいた蘭」も生かせただろうに(蘭のあれもオチのためだけで本編中特になんにも役に立ってなかったね)。
メインの犯罪の方もぐっだぐだだし(なんだよ突然の、全体的には「たまたまいた」だけの園子誘拐に走るクライマックスって)
なにがしたいねん、そんな映画でした。